「あどりびたむ」 2567年2月10日 第26回M:tG大会奮戦記


 群馬で活動している多目的ゲームサークル「あどりびたむ」のM:tG大会に参加しました。が、前日まで調整を重ねた本命デッキを自宅に置き忘れるという大失態を犯し、やむなく予備デッキを会場で改良して使用することに。今回は最新エキスパンション「トーメント」が使用可ということもあり、今後のデッキ傾向を占う意味で大変興味深い大会でした。以下のようなデッキで参加しました。


デッキ名…「いけいけゾンビ」

デッキ構成
〔土地〕
《沼/Swamp》12
《山/Mountain》4
《硫黄泉/Sulfurous Springs(7E)》4
《汚れた峰/Tainted Peak(TO)》2
小計22
〔クリーチャー〕
《シヴのゾンビ/Shivan Zombie(IN)》4
《朽ちゆく巨人/Rotting Giant(OD)》4
《火葬のゾンビ/Pyre Zombie(IN)》4
《アンデッドの王/Lord of the Undead(PL)》4
《墓所のネズミ/Crypt Rats(7E)》2
《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire(TO)》2
小計20
〔その他呪文〕
《ショック/Shock(7E)》4
《火山の鎚/Volcanic Hammer(7E)》4
《強迫/Duress(7E)》4
《終止/Terminate(PL)》4
《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome(7E)》2
小計18
合計60

サイドボード
《頭の混乱/Addle(IN)》4
《チェイナーの布告/Chainer's Edict(TO)》4
《墓所のネズミ/Crypt Rats(7E)》2
《魂の災い魔/Soul Scourge(TO)》1
《苛性タール/Caustic Tar(OD)》1
《死を食うもの/Mortivore(OD)》1
《沼/Swamp》1
《山/Mountain》1
合計15


 軽量で優秀なゾンビを展開し、手札破壊と除去・火力で補佐しつつダメージを与えるデッキです。「センギア」は《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu(PL)》が横行する昨今では必ずしも最良の選択ではありませんが、基本的に優秀ですし何より久しぶりの復活を祝う意味で入れました(^^)。《炎の稲妻/Firebolt(OD)》でなく「ショック」なのは《陰謀団の先手ブレイズ/Braids, Cabal Minion(OD)》対策。サイドボードの「沼」「山」もそうです。「災い魔」「タール」は《崇拝/Worship(7E)》対策。「秘本」は今回も趣味で入れてしまいましたが、結局1枚も引かせてもらえませんでした(苦笑)。今回の注目は「朽ちゆく巨人」の投入です。2マナ3/3という素晴らしいパフォーマンスながらアンコモンかつゾンビという人気の無さで廉価シングル扱いのこのカード。その威力を見せ付けようとゾンビ軍団のエースに指名しました。効果の程が楽しみです。
 当日参加者は約40名。勝敗に関わらず1マッチに3ゲームを行う制度で、5回戦勝負になりました。以下は細部に不正確な点があることをご了承ください。


  【1回戦・・・対黒赤ブレイズ 0−2●】
 その強力なパーマネントコントロール能力で注目される愛称「オバちゃん」こと「ブレイズ」を軸に火力・除去や土地破壊を併用して相手を固めつつ押し切るデッキ。こちらは手札破壊等で動きを制しつついかに速やかに展開できるかが勝負のカギ。
 1戦目、こちらがもたつく間に土地破壊が発動。相手も黒赤だけあって「炎の稲妻」や「布告」でこちらの攻め手をプチプチと除去する。そして決め手は《壊滅的な夢/Devastating Dreams(TO)》。クリーチャーと土地をきれいに流されて負け。
 2戦目、秘策の土地サイドボードのお陰で順調に土地とクリーチャーが展開するも、相手の引きもなかなかのもの。並べては「壊滅的な夢」で流されもたつきつつも相手ライフを残り6まで削るが、ここでマナ種を間違えて「火葬のゾンビ」を投げ損ねる痛恨のプレイミス。ゾンビは除去呪文で墓地へ。相手側に《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu(PL)》2体とブレイズが並び、覚悟を決めて手札の火力を全て相手に叩き込み残り相手のライフは1点、あとは火力引きに賭けて勝負!・・・引きませんでした(^_^;)。時間切れで3戦目は無し。

  【2回戦・・・対青黒打撃 3−0○】
 今度は《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator(OD)》や《サイカトグ/Psychatog(OD)》を軸にした打撃デッキ。除去ではこちらに分があるので普通に展開すれば何とかなりそうではある。
 1戦目、赤マナが出ないうちに相手のクリーチャーをバタバタと並べられてライフを減らすもやっと「山」を引き「影魔道士」以下を焼き尽くす。相手の足が止まればゾンビ軍団がみるみるライフを削って今日の初勝利。2戦目は「巨人」が活躍する。「強迫」や「ショック」などの後で攻撃すればこいつを止められるクリーチャーはそういない。3戦目は相手の《イチョリッド/Ichorid(TO)》が登場してダメージレースになったものの「センギア」登場と火力の補助もあって勝ちきった。

  【3回戦・・・対赤単ウイニーバーン 3−0○】
 トーメント発売で復調の兆しが見える赤単。火力と中堅クリーチャーが加わり、そして一撃必殺の力を秘める《入門の儀式/Rites of Initiation(OD)》と、一気に勝利をつかむ赤独特の切れ味が戻りつつあるようだ。
 1戦目、相手は《怒り狂うゴブリン/Raging Goblin(7E)》《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer(TO)》と素早い展開。更に《狂った怒り/Maniacal Rage(IN)》が出てきて怒りまくり攻撃。ダメージを受けつつもどうにか除去し、逆襲して勝利。2戦目、やはり相手が《モグの歩哨/Mogg Sentry(PL)》を展開し先行。赤除去の敵のようなクリーチャーだが「終止」で除去し「センギア」で締めて連勝。3戦目、相手は何と序盤で「儀式」を使い手札を全てたたき込む。その後ライフが2点にまで減るも相手クリーチャーを全て倒しあと一撃でようやく勝利と思いきや、ここで相手の隠しだま《最後の賭け/Final Fortune(MI)》が!火力を引かれたら負けである。心臓が高鳴る中、相手のラストドロー!!・・・クリーチャーでした(^_^;)。
 結果は3連勝でしたが、今後赤単には大いに注意する必要があるでしょう。

  【4回戦・・・対白黒ブレイズ 2−1○】
 今日2戦目のブレイズ・コントロール。白を組み合わせ《名誉回復/Vindicate(AP)》などを追加しているようである。
 1戦目。流れるような土地破壊とクリーチャー除去でオバちゃんが登場し完敗。早速サイドより土地を追加。2戦目も土地が事故気味。「強迫」で手札を見ると土地破壊呪文《腐臭の地/Rancid Earth(TO)》が2枚もあり、祈りながら3ターン目を迎えると、色マナが揃わず助かる。その間に「頭の混乱」で「ブレイズ」を落とし「巨人」で殴りきった。そのツキのせいか3戦目は「巨人」を始めに速やかにぞろぞろとゾンビを展開。それらがバシバシダメージを与え、その間に手札を捨てさせる。ゾンビたちが再び墓地へと帰ったあとに「センギア」が登場するという、素晴らしく理想的な展開だった。

  【最終戦・・・対青緑カウンター(8マン) 1−2●】
 ここまで3勝1敗。この試合に勝てば入賞が見えてくるが、相手は完成された「8マン」でここまで全て3連勝、計12連勝で勝ち進んできた強敵である。急造デッキでどこまでやれるか、気合が入る。
 1戦目。初めて対戦する8マンだが、そのスキの無い動きには感心する。《魔力の乱れ/Force Spike(7E)》や《記憶の欠落/Memory Lapse(7E)》などの徹底的に軽いカウンターで次々と相手の呪文をカウンターし墓地を増やしてスレッショルドが発動すれば巨大化した《敏捷なマングース/Nimble Mongoose(OD)》や《熊人間/Werebear(OD)》が相手を打ち倒す。頼みの「強迫」も引かず、こちらの繰り出すゾンビは戻されカウンターされていった。2戦目、素早く「強迫」を打つと相手の手札はカウンター呪文満載。悲観しつつ土地を引かせまいと《選択/Opt(IN)》を捨てさせるも相手は次ターンから次々と土地を展開。他のクリーチャーをカウンターさせつつやっと出した「火葬のゾンビ」も巨大化したマングースやクマの前に沈黙した。このまま3連敗してしまうのか。
 その時外野の声で、隣の試合とこの試合の勝敗で優勝者決定に影響がでるような声が聞こえ、ここでわたしが諦めてしまっては横の優勝争いの二人に申し訳ないと俄然闘志が湧き、勇躍思い切ったサイドボードを敢行。
 まず対象を取らない「マングース」対策のため「ネズミ」を4枚投入。同様に巨大化したクマには火力では足りないので「布告」を4枚、「頭の混乱」も4枚、さらに「火葬のゾンビ」を速やかに回すため土地2枚を入れてマナ加速を計る。この大幅なサイド交換が結果を出した。先行し「シヴのゾンビ」を召喚。相手が「マングース」2体を呼ぶ間に「頭の混乱」を打ちカウンターを抜く。スレッショルドに達したら手におえないのでスピード勝負になる。「ネズミ」を引いた。先程手札を見たときはカウンターは無かった。思い切って「ネズミ」をプレイ。通った^^;。即座に1点起動し「マングース」2体は墓地へと消えていった。後は手札の「アンデッドの王」がプレイできれば勝利が近づく。相手の手札をもう一度確認したい。ドロー。引いたのは「強迫」だった。最高のタイミングだ。ギャラリーの驚く表情。「強迫」を打ち、手札にカウンターの無いことを確認して「アンデッドの王」をプレイ。次のターンに相手が投了し、一矢を報いたのである。


 結果最終戦の相手は優勝、わたしが唯一の黒星を付けたことになりました。わたしは3勝2敗(全体では9−5)。やっつけ構築にしては出来過ぎだと思います。
 今回の実践投入で「朽ちゆく巨人」の優秀さはわたしの中で確固たるものになりました。スレッショルドやフラッシュバックを中心とした墓地活用とは合いませんが、火力・除去を交えた速攻打撃狙いのデッキならば墓地が空で攻撃できないということはまずありません。
 実践研究が進み、「8マン」などの優秀デッキの登場でスレッショルドやフラッシュバックという墓地活用能力は無視できないものになりました。今後は墓地操作能力をいかに組み込むかが工夫のしどころになるでしょう。
 もう一つ、「センギアの吸血鬼」はやはり強くてかっこいいです(^^)。

(2567.2.11)

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