FB高崎店 2567年1月12日DCI公認大会奮戦記


 様々なトレーディング・カードやそのゲーム商品を扱うFB(フューチャービー)高崎店主催の、M:tG(マジック・ザ・ギャザリング)競技を統括する組織DCI(Duelists' Convocation International)の公認大会に実に久しぶりに参加しました。今回は先月の「FCM(深谷カードマスターズ)」主催のクリーチャー種族デッキ大会に使用したデッキをスタンダード形式に変えて参加しました。除去呪文が大幅に弱体化する中でどこまでやれるか、新たに試したい要素も盛り込んで当日は以下のようなデッキで参加しました。


デッキ名…「クレリックの癒し」

デッキ構成
今回
前回
〔土地〕
《平地/Plains》22同左
小計22
小計22
〔クリーチャー〕クリーチャー・タイプは全てクレリック
《ひたむきな殉教者/Dedicated Martyr(OD)》4《ルーンの母/Mother of Runes(UL)》4
《献身的な世話人/Devoted Caretaker(OD)》1同左
《敬愛される司祭/Beloved Chaplain(OD)》4同左
《黒曜石の見習い僧/Obsidian Acolyte(IN)》4同左(2)
《真紅の見習い僧/Crimson Acolyte(IN)》4同左(2)
《熟練の薬剤師/Master Apothecary(OD)》4同左
《聴罪司祭/Confessor(OD)》2《魂の管理人/Soul Warden(EX)》4

《サマイトを総べる者アタリア/Atalya, Samite Master(IN)》1
小計23
小計22
〔その他呪文〕
《避難/Shelter(OD)》2《拘引/Arrest(MM)》3
《栄光の頌歌/Glorious Anthem(7E)》4《浄火の鎧/Empyrial Armor(WL)》4
《破滅のロッド/Rod of Ruin(7E)》1《オアリムの接触/Orim's Touch(IN)》1
《平和な心/Pacifism(7E)》4《剣を鍬に/Swords to Plowshares(4E)》4
《解呪/Disenchant(7E)》2同左(1)
《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome(7E)》2《沈黙のオーラ/Aura of Silence(WL)》2

《シヴィーの計略/Sivvi's Ruse(NE)》1
小計15
小計16
合計60
合計60

サイドボード(前回は無し)
《破裂の王笏/Disrupting Scepter(7E)》4
《蒸気爪/Steamclaw(OD)》2
《神の怒り/Wrath of God(7E)》2
《義務と道理の盾/Shield of Duty and Reason(AP)》2
《避難/Shelter(OD)》1
《赤の防御円/Circle of Protection: Red(7E)》2
《解呪/Disenchant(7E)》2
合計15


 うーん、弱い(^^)。
 1マナクレリックとはいえ、「聴罪司祭」はさすがに厳しいものがあります。まだしも《サマイトの癒し手/Samite Healer(7E)》か《尊い癒し手/Hallowed Healer(OD)》か?「献身的な世話人」は入手できず。「破滅のロッド」はささやかなクリーチャー除去兼ダメージ源。今回の注目は「ジェイムデー秘本」の投入です。白単ながら長期戦必至のこのデッキ、クレリックを継続して召喚するためにドローを強化するパーマネントを模索し、結局白単に入るこの基本呪文を選択しました。効果の程が楽しみです。
 当日参加者は20名で、勝ち抜き戦の4回戦勝負になりました。以下は対戦記録控えを取らなかったので細部に不正確な点があることをご了承ください。


  【1回戦・・・対赤緑ステロイド 1−2●】
 いきなり強敵。火力はともかく高速で次々召喚されるデカブツは「薬剤師」を引かない限り速やかに殴り倒される。
 1戦目、相手が事故気味の間にクレリックを展開。殴られる前に殴って勝つ。何かうまくいき過ぎだが、2戦目以降は一転ドツボに。2戦目は相手の《象の待ち伏せ/Elephant Ambush(OD)》が高速展開。そして2体目。「平和な心」「司祭」で何とかしのぐもついでに《カヴーのタイタン/Kavu Titan(IN)》トランプル付きが登場。止まりません。3戦目は更に悪い。「平和な心」すら引かない。サイドインした「神の怒り」はどこへ行った?敵の大将《シヴのワーム/Shivan Wurm(PL)》登場で終了。早くもサイドボードの「盾」が無意味なことが判明。「神の怒り」4枚はやはり基本である。

  【2回戦・・・対白緑打撃 2−0○】
 「司祭」が除去されにくい分先程よりやり易いかも。単純に打撃力は向こうが勝る分、ダメージ耐性はこちらが上。ただし色的に「平和な心」が無意味なようである(^^)。
 1戦目順調に「司祭」展開。すると相手の手からも「司祭」が。こうなると速さ比べだ。相手は《俊足の豹/Fleetfoot Panther(PL)》を繰り出すがこちらには「薬剤師」がある。細かいダメージを与え続けて勝利。2戦目もしっかりクレリックが並んで安泰。《アルマジロの外套/Armadillo Cloak(IN)》対策でサイドインした「解呪」を打つことも無く押し切った。今回は相手もそれほど早くないため「秘本」が起動。回り始めるとあっという間に手札が増え、やはりカードを引くことは良いことだと再認識する(笑)。

  【3回戦・・・対白青緑カウンター 0−2●】
 今回最も勝ち味の薄いのがカウンター系。このデッキには速さやマナ拘束などカウンターへの干渉要素がほとんど無いため相手にマナが揃うと戻され打ち消され何も出来ないのだ。カウンターに分の悪いデッキで公認大会に出るのも考えものだが、そこは地方の気安さで乗り切ることにしよう。
 1戦目、とにかく殴りきるしかないので何も考えずクレリックを展開。しかしいかんせん1/1クリーチャーではたかが知れている。そのうち3色デッキでもマナが揃って《再供給/Restock(IN)》でカウンターを回収され為す術なし。2戦目、思い切りサイドインしかない。「破裂の王笏」「蒸気爪」それに先程無意味と判断した「盾」をもデッキに入れて相手の戦略破壊を目論む。再びクレリック展開。しかし今度は相手の「神の怒り」が炸裂。クレリックたちは偉大なる父の元へ召されました(T_T)。「ハルマゲドン」は良かったなあ(遠い目)。

  【最終戦・・・対白赤ゴブリンカブー 2−0○】
 最終戦。火力や単体除去には強いこのデッキの真価を計る時が来た。両「見習い僧」を最初から4枚入れたデッキの見せ所である。
 1戦目。クレリックは出るが肝心の「真紅の見習い僧」が出ない。相手はオデッセイのノーマッドや《ゴブリンの軍団兵/Goblin Legionnaire(AP)》《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu(PL)》《スキジック/Skizzik(IN)》そして「司祭」が主力である。文字通り「殉教者」が尊い犠牲となって時間を稼ぎ、「薬剤師」を出してダメージを軽減する。ようやく「真紅の見習い僧」を引いたが相手は何と「崇拝」を張っていた。仕方なくライフを1まで削り「解呪」して勝利。ここでも「秘本」が大活躍した。バシバシ引いて次々召喚し気持ちいいことこの上なし。2戦目は「秘本」を2枚とも割られるも「防御円」を張って安全勝ち。相手は「神の怒り」も《地震/Earthquake(7E)》も引かなかったようである。


 ある程度予想はしていましたが、かなり明確にこのデッキの長所と短所が見えて大変勉強になりました。
 現在のスタンダード環境では、緑を軸とした強力クリーチャー対策のため「神の怒り」はサイドボードも含めて4枚入れたいです。フラッシュバック対策に「蒸気爪」の追加も検討されます。あと余裕があれば「世話人」も。しかしクリーチャー以外のダメージ源に乏しいなど苦手な傾向のデッキには相変わらずつらく、大会で通用する強さに引き上げるのは難しいかもしれません。
 今回の最大の収穫は《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome(7E)》の優秀さが実感できたことです。4マナ起動ということもありデッキを選ぶかもしれませんが、青や黒や緑のようなドロー呪文に乏しい白や赤、特に火力のような決め手を欠く白にとって、「神の怒り」などで失った場の優位を回復するためにも無色の引き増しパーマネントは貴重です。
 みなさん《吠えたける鉱山/Howling Mine(7E)》ばかりでなくたまには「秘本」でカードを引きまくってみませんか?

(2567.1.26)

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