高勝寺・大慈寺参拝記(1)


 4月14日、近隣にある極樂寺副住職さんと檀信徒の皆さんの旅行に便乗し、栃木県下都賀郡岩舟町にある高勝寺(こうしょうじ)・大慈寺(だいじじ)などをお参りしました。皆様当日はお世話になりました。

 群馬県の高崎駅と栃木県の小山駅を東西に結ぶ両毛線に乗り、栃木側の岩舟駅で降りるとすぐ北側に見える岩山が町名にもなっている岩舟山です。山全体が船の形をしているところから岩舟山と呼ばれています。高勝寺は岩舟山の山上にあります。

 天台宗高勝寺は地蔵菩薩の霊場として知られています。奈良時代に伯耆の国(鳥取県)出身の僧が岩舟の地に至って生身の地蔵菩薩を拝み、その地蔵尊を本尊として堂を建てたのがその開基と伝えられています。また岩舟山は死者の霊の集まるところとされ、境内には昔から今に続く鎮魂供養の様子が伺えます。
 
 天台宗大慈寺は奈良の大仏建立に尽力された行基(ぎょうき)菩薩によって開山建立された、現存する栃木県最古の寺院です。また天台宗や日本仏教に大きな足跡を残した慈覚大師円仁(じかくだいし・えんにん)さまが少年時代を過ごした寺院として知られます。


  高勝寺(栃木県岩舟町)浄土へ漕ぎ出す巨大な岩山の船(旅行読売2002年3月号より)

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  慈覚大師円仁についてのQ&A




高勝寺仁王門

 およそ260年前に立てられた仁王門。規模の大きさは県内随一だそうです。



境内

 山門をくぐると石段の先に本堂が見えます。



本堂

 わたしたちの他に参拝者は無く、辺りを静寂が包んでいます。いかにも「霊場」らしい空気です。



お墓

 卒塔婆が山頂へ向けて斜面に立てかけてあるのは、そこへ霊が集まるから、という伝承の故だそうです。



三重塔

 多くの信者の寄進によりおよそ250年前に建立された三重塔です。先ほどの仁王門もそうですが、山上にこれだけの規模の建築物を建てた人々の熱意に感嘆します。



石段

 麓から高勝寺へ続く600段の石段。



誕生地

 高勝寺から大慈寺へ向かう途中で慈覚大師関連史跡を訪ねました。こちらは誕生地と伝えられる岩舟町下津原手洗窪。手洗窪は昔慈覚大師が産湯をつかった地ということで「盥窪(たらいくぼ)」といいました。



誕生地碑

 「世界史的偉人 慈覚大師誕生之地」の碑。



慈覚大師像

 慈覚大師像。入唐の様々な辛苦を乗り越えた強靱なご精神を感じます。



誕生寺

 誕生を記念して建てられた誕生寺。



産湯の井戸

 産湯の井戸。



感謝の碑

 慈覚大師ご生誕千二百年の機会に建立された記念碑。。



霊跡の碑

 93年前の2476(西紀1911・明治44)年に建立された「慈覚大師霊跡」の碑です。当時の山岡観澄天台座主猊下や南条文雄文学博士らのお名前が見えます。



慈覚大師御母公のお墓

 ご生誕地と大慈寺の中間ほどにある慈覚大師御母公のお墓です。周囲は雑木林で民家が点在しています。



   その2に続く


(2569.4.17)



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